FreeCADでNゲージ旧型国電 モハ60 昭和15~17年度準戦時設計車① 前面スケッチ作成 

FREECAD

今回の目標 モハ60先頭部分のスケッチ作成

Nゲージの旧型国電「モハ60 昭和15~17年度準戦時設計車」をFreeCADで作成し、3D印刷します。今回は、電車の先頭部分を作成するため、以下のスケッチを作成します。 

Nゲージの旧型国電はパートデザインワークベンチで作成する

FreeCADにはいろいろな「ワークベンチ」があります。Nゲージの旧型国電を作るために、おもに使うのは「パートデザインワークベンチ」です。

FreeCADのワークベンチとは

FreeCADには行う作業ごとに「ワークベンチ」があります。形(部品)の元となるスケッチを作成する「スケッチャー」。スケッチから部品を作成する「パートデザイン」。部品の組み立てをする「アセンブリ」等々。これらのワークベンチを切り替え、行き来しながらデザインします。

パートデザインワークベンチの選択

左上のリストからパートデザインワークベンチを選択します。

FreeCADのパートデザインワークベンチについて

パートデザインワークベンチは、Nゲージの旧型国電をFreeCADで作成するために重要なワークベンチです。

パートデザインワークベンチとは

パートデザインワークベンチには、「ボディー」というモノがあります。このボディーは「いれもの」のです。したがって、パートデザインワークベンチには必ずボディーが必要となります。この「いれもの」であるボディーに、形のもととなる絵の情報や、絵を押し出して3D形状にする情報などの様々なデータが入れられることで「形」が作られます。

スケッチとは

スケッチを作成する

パートデザインワークベンチでは、わざわざ、スケッチャーワークベンチに切り替えなくとも、パートデザインワークベンチの「スケッチを作成」からスケッチが作成できます。スケッチャーワークベンチに自動で切り替わります。

モハ60の半流先頭部分のスケッチの作成

旧型国電「モハ60」は戦時設計車であるが「半流型」の外観をしています。Nゲージの鉄道模型を3D印刷するにあたっても中心となる部分のため、前面から作成します。

XY平面にスケッチを作成する

FreeCADには3つの平面があります。3DCADですから、3つの平面があります。Nゲージの旧型国電を作る場合、最初は「XY」平面(XY-Plane)にスケッチを作成します。「XY」平面に作成することで、電車の前後左右とFreeCADの前後左右が一致します。

直線(前面)を作図する

  1. 「直線を作成」をクリック。
  2. 原点を選択する。
  3. 左側にドラッグして直線を引く。原点からのピンクの線に重ねるように離す。長さは2mm。
  4. 完全拘束されていることを確認する。

長さは、作図後も「寸法」をクリックし、寸法を変更したい「線など」をクリックし、いつでも変更することができます。

補助線を作図する

  • 補助線作成のため、「構築ジオメトリの切り替え」をクリック。
  • すると…青色(補助線)になる。
  • 原点から上へ作図。原点からの緑の線に重ねるように離す。長さは6.1mm。

「補助線」⇔「実線」は切り替えられます。

直線(前面後ろ)を作図する

  • 補助線→実線に切り替える。
  • 直線を作図をクリック。
  • 先ほどの補助線の終点から左に作図。9.35mm。
  • ③の線から下に直線を作図。2.5mm。
  • ③④の線に寸法拘束をかける。

 

FreeCADのデフォルトの設定のままであれば、「自動拘束機能」により、自動的に適切な拘束がかかります。

円を作図する

  • スケッチャージオメトリの「中心を指定して円を作成」を選択。
  • 原点からの延長線上をクリック。なお、原点からの延長線上であればこの段階ではどこでもか構いません。
  • 先ほど「直線(前面)を作図する」で作図した2.5mmの直線の終点をクリック。

円に対して「半径拘束」

  • 「半径拘束」をクリック。
  • 円を選択し、20mmを設定する
  • 2.5mmの直線の主点から円弧にぶつけるように垂直の線を引く。一致拘束が自動で作成される。

2.5mmの直線の主点から円弧にぶつけるように垂直の線を引きます。一致拘束が自動で作成されます。

円の不要な箇所を削除

  • 描画ツールから「エッジをトリム」をクリックして選択。
  • 円弧のトリムする部分をクリック。

右側も同じように作図するため「対称コピー」(鏡像コピー)する

左側と同じように作図してもよいのですが、ここでは、「対称コピー」を利用します。

  • 準備として、上の線(9.35mm)は補助線に変更する。※右側作図後、補助線の上から1本の直線を作図するため。
  • 3つの線を全てクリックし選択
  • 対称コピーをクリック
  • 対称コピーの鏡像の中心となる直線を選択

この対称コピーはとても便利な機能です。例えば、電車のドア部分や通風機なども、対称となる直線さえあれば片方を作るだけで作成できてしまいます。はじめはこんな機能は知りませんでした。使いようによってはとても便利な機能です。FreeCADで鉄道模型以外を作成する時にも便利な機能です。

対称コピーした「右側」も左側と同じように拘束する

対称拘束

左側にも右側と同じように拘束をしていきます。同じように拘束を設定してもよいのですが、「対称コピー」したものは対称拘束が使えますので、対称拘束を使います。

  • 対称拘束したい1つめの点をクリック
  • 対称拘束したい2つめの点をクリック
  • 対称拘束の鏡像の中心となる直線を選択

その他の部分も作図

  • 補助線の上から実線を「一致拘束」が作成されるように作図。
  • 下の部分にも直線を「一致拘束」が作成されるように作図。

完成

半流型の旧型国電のNゲージをこのスケッチから作成していきます。スケッチだけでも半流型の旧型国電に見えなくもないかもしれません。

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