FreeCADでNゲージ旧型国電 モハ60 昭和15~17年度準戦時設計車② 前面の作成 

FREECAD

今回の目標 モハ60前面の立体化

「モハ60 昭和15~17年度準戦時設計車」を作成します。前回、スケッチを作成しました。今回は、以下のような半流型の旧型国電の前面を作成します。FreeCADの「押し出し」や「ポケット」などのコマンドを使用し、いよいよ立体に作成していきます。

「押し出し」で旧型国電の前面を作る

  • 押し出すスケッチを選択。
  • 押し出しをクリック。
  • 押し出す長さを設定。

「押し出し」(PAD)は平面のスケッチを3Dの図形にするコマンドです。FreeCADをはじめとする3D-CADでは「押し出し」により平面から3Dを作成します。押し出しは正面と裏面または両方などが選べます。

作成したスケッチを15.65mm押し出します。これで電車の先頭の半流線形の部分が作成されました。この部分を伸ばしたり切ったりなどしながら、電車の形をデザインします。

平面が3Dになりました。

「切断」して半流旧型国電の形を作る

半流旧型国電の屋根を作成するため、後ろから切断し、前面の丸みを作成します。パートデザインワークベンチでは部品をつくるためにはスケッチを使います。これは、「押し出し」で部品を作る場合も、部品を切断する場合も同じです。切断するためのスケッチを作成します。

切断用スケッチを作成する

切断するためのスケッチとして、背面に接するスケッチを作成します。作成された図形の後面を選択した状態でスケッチを作成するとで、その平面にスケッチを作成することができます。

後面に接するスケッチを作成する

  • 視点を後ろからに変更。
  • 後面を選択。
  • スケッチを挿入。
  • 補助線のを作成を選択。
  • 原点に接する(原点を起点とする)直線を作成。
  • 寸法拘束をクリック。
  • 15.65mmの寸法拘束を設定。

外部ジオメトリの利用

  • 外部ジオメトリを作成をクリック。
  • 押し出した図形の左端をクリック。
  • 14.62mmの直線を作成。

「外部ジオメトリを作成」は、現在作成中スケッチの補助線として別の図形等を利用するコマンドです。現在のスケッチ上に、すでに作成されている「図形の辺」や「図形の点」などを補助線として利用することができます。

外部ジオメトリの紫の線と重なるよう、14.62mmの補助線を作成します。

電車に丸みとなる円を作成する

  • 中心を指定して円を作成をクリック。
  • 15.62mmの補助線上の任意の位置をクリックし、円の中心を指定。
  • 15.62mmの補助線の上端をクリック。

「中心を指定して円を作成」は「中心指定→円周指定」の順に円を作成するコマンドです。

  • 円と14.62mmの補助線の上端の2つを選択。
  • 選択した状態のまま、一致拘束をクリック。

拘束すると…14.62mmの直線の上端と円弧が一致します。

  • カットするための直線を作成。
  • スケッチを完成させるために4つ線を引く。ここでは、6mm、12mmで拘束。
  • 不要な円はトリム。

旧型国電の前面の丸みを作成する

  • ポケットをクリック。
  • ポケットパラーメータに「貫通」指定してクリック。

「ポケット」はスケッチに沿って穴をあけるコマンドです。接続のための穴をあけたり、材料節約のために空洞を作る機能です。今回は旧型国電の前部屋根の丸みの作成に利用しています。

屋根作成のために押し出す

ポケットコマンドで作成した上部を選択して1mm押し出します。1mmの押出部分は本来の旧型国電モハ60の図面上は存在しませんが、Nゲージのデザイン上追加しています。また、3Dプリントにはある程度の厚みが必要となるため、追加しています。

「押し出し」はスケッチの他にもすでに作成した図形の面を押し出すこともできます。

ロフトコマンドで戦前型半流旧型国電の前部屋根を作成

半流旧型国電特有の丸みを帯びた屋根はロフトコマンドで作成します。そのためのスケッチから作成します。

ロフト作成のためのスケッチを作成する

外部ジオメトリを利用してスケッチを作成する

  • 外部ジオメトリを作成。
  • 補助線をの視点としては外部ジオメトリを選択。
  • 補助線を引く。
  • 右側も同様に作成
  • 2つ補助線を等値拘束する。

「3点で円を作成」を利用しスケッチを作成する

「3点で円を作成」は中心ではなく、指定した3点に触れる円を作成するコマンドです。一方、「中心を指定して円を作成」は中心から円を作成するコマンドです。Nゲージなどの模型を作成する場合、「3点で円を作成」を利用する機会の方が多いと思います。

  • 「3点で円を作成」をクリック。
  • 「黄色の枠内の補助線及び外部ジオメトリとの接点」、「紫色の枠内の補助線及び外部ジオメトリとの接点」の順番にクリックし、黄色、紫色の接点それぞれを経由する円を作成します。
  • 作成した円のうち、青色の補助線より下の部分は不要ですのでトリム。
  • 「紫色の枠内の補助線及び外部ジオメトリとの接点」から、原点から延びる緑色の線に接する直線(横線)を作成。

等値拘束と3点で円を作成を利用しスケッチを作成する

  • 黄色の枠をつけた補助線どうしに「等値拘束」。
  • 「3点で円を作成」から緑、赤、紫に円を作成。※「鏡像コピー」でも可能です。
  • 円に「等値拘束」をかける。

円の中心を指定してするための直線を作成

以上で完全拘束される。

加算ロフト

例)このように、四角形と四角形と円を高さ(Z軸)を離して配置します。そして、加算ロフトコマンドを選択します。

加算ロフトとは

「加算ロフト」は2つ以上のスケッチ(すでに作成した図形の面でもよい場合もあります)をつなぎ合わせた図形を作ることのできるコマンドです。

2025年1月現在、FreeCADはVER1.0が公開されているが、おそらくバグと思われるが、ロフトが上手く機能していない。以前のバージョンである。VER0.21.0でロフトを作成する。なお、フリーソフトだけあって、以前のバージョンもすぐにダウンロードできる。

ロフトで屋根を作成する

完成

これで電車の先頭部分が作成できました。

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