今回の目標 モハ60の窓回りや木製ドアのスケッチの作成
「モハ60 昭和15~17年度準戦時設計車」をFREECADで作成、3D印刷します。今回は、旧型国電の側面スケッチを作成します。FreeCADのバージョンはVER0.21.0です。こんな感じのスケッチを作成します。モハ60の窓外枠、乗降扉外枠、乗務員扉外枠のスケッチを作成します。

旧型国電側面のスケッチ作成の方針
モハ60の図面を見ると、車体側面は、平坦な部分、窓回りや木製ドアの外枠などの1段深くなっている部分、木製ドアや乗務員扉の2段深くなっている部分、窓や乗務員扉窓などの貫通する部分、からできていることがわかります。側面を作成するためには、たくさんのスケッチを作成しなければなりません。そこで、スケッチを作成するにあたり、次のように整理しました。
対称コピーを使う
FreeCADには、同じものを複製ための対象コピー(鏡像コピー)という機能があります。旧型国電は同じような構造の組み合わせです。このため、対象コピーは鉄道模型を作成するためにあるかのように便利です。対象コピーをフル活用してスケッチ作成します。
長さは直接記入
FreeCADでは「一致拘束」などで他の直線などの値を参照した長さとすることができます。しかしながら、長さを直接書き込んだ時に比べ、処理が遅い、修正が困難になります。できるだけ寸法は直線数字で記入します。
スケッチを作成する
電車側面を選択し、スケッチを作成します。前面、後面は非表示にします。窓回りや木製ドアの外枠などの1段深くなっている部分のスケッチを作成します。続いて、1つ深い部分、貫通する部分のスケッチを作成していきます。

モハ60の窓外枠をスケッチ
初めに、モハ60の窓の外枠をスケッチし、続いて乗降扉、乗務員扉とスケッチしていきます。
1枚目の窓枠
- 長方形を作成。縦5.97横mm5.33mm。窓の外枠になります。
- 屋根のつなぎ目を外部ジオメトリとして、下に2.08mm、横に3.46mmの補助線を作成。

- 垂直拘束。
- 水平拘束。

2枚目の窓枠
- 長方形の左端を起点に「0.335mmの補助線×2」作成。
- 0.335mmのところから適当な長さの垂直線を作成。ここでは5mmとしました。
- 1番最初に作成した長方形すべてを垂線を対称線として「対称コピー」し、対称拘束を作成。

4枚目の窓枠
同様に「6.715mmの補助線×2」を作成し、対称線を作成。20mmとしました。

マウス左クリック+ドラッグですべてを選択できます。

- コピーし、対称拘束。

5枚目の窓枠
- 「0.335mmの補助線×2」作成し、対称コピーと拘束で5つ目の窓を作成。

7枚目の窓枠
- 5つ目の窓の中央に7つ目の窓を対称コピーするための直線を作成します。対称コピーと対称拘束で窓を作成します。


12枚目の窓枠
- 6.4mmのところで、対称コピーの垂線を作成し、5つの窓を選択。
- 対称コピーと対称拘束。


13枚目の窓枠
6.7mmのところで対称線を引いて、対称コピー。拘束します。

モハ60の乗降扉(木製ドア)の外枠をスケッチ
乗降扉1枚目
- 一番後ろの窓外枠から右から3.2mm、左から2.63mmの補助線を作成。
- 下のピンクの線を始点として、上に1.41mmの垂直線を作成。
- 2.63mmの線の端と垂直拘束する。

- 下からの1.41mmの直線の上端を始点に上に11.67mmの縦線を作成。
- 下からの1.41mmの直線の上端を始点に横線を作成。7.6mmの寸法拘束を指定。
- 横線の右端を始点に上に11.67mmの縦線を作成。

- 適当な位置に6mmの横線を作成。後で位置は決定されます。
- 6mm線の端と11.67mmの縦線とを円周とする円を作成。
- 円に「半径拘束」0.8mmを設定。

- 「円と横線の接点と円の中心」に垂直拘束。
- 「円と縦線の接点と円の中心」に水平拘束。
- 下の図のように、円の3/4はトリムで削除。

乗降扉2枚目
- 作成したモハ60の「乗降扉」をさらに対称コピーするための垂直線を作成します。窓枠の対称線と紛らわしくなるため、上に引いてみました。


乗降扉3枚目
- 対称線を作成。
- 乗降扉は実線だけを対象コピーします。
- 対称拘束。


乗務員扉の外枠を作成
3.6mm×12.47mmの長方形を作成します。乗降扉の上の6mm線の左端から12.76mmの補助線を作成し拘束します。

まとめ
穴を開けてみました。少しずつ…ですが、Nゲージの鉄道模型に見えてきました。
